玄関クローゼットを家族みんなが使いやすくするコツ
玄関クローゼットは毎日の暮らしを支える大切な場所です。でも、家族が増えるほど靴やコート、バッグなどであふれかえってしまいますよね。朝の「靴がない!」騒動や「コートがシワシワ…」といった悩みは、収納の工夫で解決できます。3人の子育てをしながら試行錯誤してきた私の経験から、限られたスペースを最大限に活かす方法と、子どもでも続けられる収納の仕組みづくりをお伝えします。
玄関クローゼットの基本と収納の考え方
玄関クローゼットの役割と重要性

玄関クローゼット(シューズクローク)は、単なる靴置き場ではありません。
家の「エントランスゾーン」として、外出時に必要なものをすべて準備できる場所であり、帰宅時には持ち帰ったものを適切に収める重要な空間です。 私が整理収納の仕事を始めたきっかけも、実は3人の子どもたちの靴や学校グッズが散乱する玄関に悩まされたことからでした。 玄関がすっきりしていると、毎日の出入りがスムーズになるだけでなく、気持ちの切り替えにも役立ちます。
また、玄関は来客が最初に目にする場所でもあります。 整理された玄関クローゼットは、家全体の印象を左右するといっても過言ではないでしょう。 私の経験では、この空間をきちんと整えることで、朝の「あれどこ?」騒動が激減し、家族全員の毎日がスムーズに回り始めました。
収納の基本は「取り出しやすく、戻しやすい」こと。 特に玄関は急いでいるときにも使う場所なので、この原則がより重要になります。 物の定位置を明確にし、家族全員が理解できるシステムを作ることが、玄関クローゼットを活かす第一歩です。
収納力アップの3つの基本原則

玄関クローゼットの収納力を高めるには、3つの基本原則を押さえることが大切です。
まず第一に「上下左右の空間をフル活用する」こと。 多くの方は床面と正面の棚だけを使いがちですが、壁面や天井近くの空間、ドアの裏側など、あらゆる空間を収納に活用できます。 我が家では天井近くに季節外のブーツを収納するボックスを設置し、壁面にはS字フックを使って子どもたちの傘やレインコートをかけています。
第二に「分類・グルーピングを徹底する」こと。 家族それぞれの持ち物、使用頻度、季節性などで明確に分けることで、取り出しやすさが格段に向上します。 特に複数の家族がいる場合は、個人別のスペースを確保するのが効果的です。 我が家では子ども一人ひとりにカラーコードを決め、そのカラーのかごやラベルで管理しています。
第三に「見える収納と隠す収納を使い分ける」こと。 頻繁に使うものは見える位置に、シーズンオフや予備のものは隠す収納にするのがおすすめです。 私の場合、日常的に使う靴は開放棚に、来客用のスリッパや季節限定の靴はボックスに入れて上段に収納しています。 この使い分けによって、日々の出入りがスムーズになるだけでなく、見た目もすっきりします。
玄関クローゼットの具体的整理術
靴の収納アイデア:種類別に最適な方法

靴は玄関クローゼットの主役です。 家族の靴の数や種類によって最適な収納方法が変わってきます。
まず、日常的によく履く靴は取り出しやすい高さに置くのが鉄則です。 大人用は上の段、子ども用は下の段というように、使う人の身長に合わせた位置に配置しましょう。 我が家では、毎日の通勤・通学用の靴は棚の手前に、たまに使う靴は奥に置くというルールを設けています。 子どもたちも自分で靴の出し入れができるようになり、朝の準備がぐっとスムーズになりました。
ブーツなどの高さのある靴は、専用のブーツスタンドや100均で手に入るファイルスタンドを活用すると安定します。 また、ブーツキーパーを使えば型崩れを防ぎながら収納できるので、お気に入りのブーツを長持ちさせたい方におすすめです。 私自身も大切なブーツには必ずキーパーを入れています。
サンダルやパンプスなど軽量の靴は、つっぱり棒とS字フックを使って吊るす収納も効果的です。 特に湿気がこもりやすい梅雨時期は、この方法で通気性を確保できます。 また、100均の透明シューズケースを使えば、ホコリから守りながらも中身が一目でわかるので探す手間が省けます。
コート・バッグの効率的な収納方法

コートやバッグは場所を取りがちなアイテムですが、工夫次第で省スペースにすっきりと収納できます。
コート類はハンガーパイプを最大限活用しましょう。 一般的な玄関クローゼットでは高さが限られているため、ショートコートとロングコートでハンガーパイプの高さを分けると、下部のスペースも有効活用できます。 我が家では、上段のパイプに大人用コート、下段に子どものコートとレインコートを掛けています。 また、使用頻度の高いコートほど取り出しやすい位置に配置するのもポイントです。
バッグの収納には、S字フックやバッグハンガーが大活躍します。 ハンドバッグはS字フックでハンガーパイプに吊るせば、形を崩さず省スペースで収納できます。 リュックは専用のハンガーを使うと、ベルト部分もきれいにまとまります。 季節で使い分けるバッグは、使わない時期はクリアケースに入れてラベルを貼り、上段に収納しておくとよいでしょう。
子どものスクールバッグは専用のフックを設けると、朝の準備がスムーズになります。 壁に取り付けるタイプのフックボードに、子どもの名前や目印をつけると、自分の場所だと認識しやすく片付けも習慣化しやすいです。 私の子どもたちも、帰宅したらまずバッグをフックに掛けるというルーティンが自然と身についています。
帽子・手袋・小物類の整理法

散らかりやすい小物類こそ、きちんとした収納場所を決めることが重要です。
帽子はハンガーパイプに専用のクリップを取り付けて吊るす方法がおすすめです。 形が崩れず、見た目もすっきりします。 また、ニット帽などの柔らかい素材の帽子は、突っ張り棒とクリップハンガーを使って壁面に並べて収納する方法も効果的です。 我が家では季節ごとに使う帽子を入れ替え、オフシーズンのものはファスナー付きの収納袋に入れて上段に置いています。
手袋やマフラーなどの防寒小物は、引き出しボックスに家族別・アイテム別に分けて収納すると便利です。 クリアボックスを使えば中身が見えるので、急いでいるときも探す手間が省けます。 また、100均のファイルボックスを使って立てて収納すると、取り出しやすく省スペースになります。 子どもの小さな手袋は迷子になりやすいので、専用のかごを用意して必ず同じ場所に戻すようにしています。
鍵やアクセサリーなどの小さな小物は、壁に小さなトレイやフックを設置すると便利です。 帰宅したらすぐに決まった場所に置く習慣をつければ、「鍵どこ?」という朝のパニックがなくなります。 我が家では玄関ドア近くに家族共用のキートレイを設置し、その横に個人用のトレイを並べて配置しています。
収納力を劇的に高める便利グッズとアイデア
隙間を活かす収納グッズ

限られた玄関クローゼットのスペースを最大限に活用するには、隙間収納グッズが強い味方になります。
棚と棚の間の空間を活用する「突っ張りラック」は、工具不要で簡単に設置でき、小物を置くのに最適です。 靴棚の上部や棚板の間に設置すれば、収納スペースが倍増します。 我が家では靴箱の上に突っ張りラックを取り付け、季節のアイテムや来客用スリッパを収納しています。 これだけで随分すっきりしましたよ。
壁面の隙間には「ウォールポケット」や「マグネットラック」も便利です。 特にマグネットタイプは穴を開けずに設置できるので、賃貸住宅でも安心して使えます。 スマートキーや定期券など、よく使う小物をすぐ手に取れる位置に配置しておくと便利です。 私は玄関ドアの内側にマグネットフックを付けて、子どものレインコートを掛けています。
靴箱の中の空間も、「シューズラック」や「縦置きブーツスタンド」で有効活用できます。 靴の高さに合わせて調節できるタイプなら、無駄なく空間を使えるのでおすすめです。 また、段差を作るステップ型のシューズラックを使えば、奥の靴も見やすく取り出しやすくなります。 我が家ではこれで子どもたちの靴も迷子になることがなくなりました。
季節アイテムを効率的に管理するコツ

季節によって使い分けるアイテムをスマートに管理することで、玄関クローゼットの使い勝手がぐっと良くなります。
基本は「よく使うシーズンのものは取り出しやすく、オフシーズンは上段や奥に」という原則です。 防水スプレーや靴クリーナーなどのケア用品も同様に、使うシーズンに合わせて前後させると効率的です。 我が家では春夏と秋冬で収納を入れ替える「衣替え」ならぬ「靴替え」をしています。 これによって限られたスペースを最大限に活用できています。
季節アイテムの収納には、透明の衣装ケースやファスナー付き不織布ケースが便利です。 中身が見えるラベルをつければ、必要なときにすぐ取り出せます。 湿気やカビが気になる梅雨時には、除湿剤や防虫剤も一緒に入れておくと安心です。 私は季節の変わり目に家族全員の靴のサイズチェックと入れ替えを行い、必要なものを買い足しています。
子どものスポーツ用品など、場所を取るけれど定期的に使うものは、取り出しやすい専用の収納スペースを確保するのがポイントです。 フック付きのメッシュバッグに入れて壁に掛けたり、バスケットに種類別に分けて収納したりすると管理しやすくなります。 我が家では子どものスポーツシューズとユニフォームをセットにして、メッシュバッグに入れて掛けています。 これで「あれどこ?」と探し回ることがなくなりました。
ラベリングで家族みんなが使いやすい工夫

収納上手になるための秘訣のひとつが「ラベリング」です。 特に家族が多いご家庭では、誰でもわかるラベル表示が収納維持の鍵となります。
ラベルは単純な名前だけでなく、絵や色分けを取り入れると効果的です。 小さなお子さんやお年寄りでも一目でわかるよう、イラストや写真を活用するのもおすすめです。 我が家では子どもたちが自分の持ち物を自分で管理できるよう、一人ひとりのカラーと名前、イラストを組み合わせたラベルを作っています。 自分の「場所」だと認識することで、片付けも自然と身についていきました。
ラベルを貼る位置も重要です。 収納ボックスの正面だけでなく、上からも見えるよう天面にも貼ると便利です。 また、棚そのものにもラベルを貼れば、物の定位置が明確になり、誰でも正しい場所に戻せるようになります。 私は靴箱の各段に家族の名前と靴の種類(「パパの革靴」「ママのパンプス」など)を記したラベルを貼っています。
ラベルはマスキングテープや100均のラベルメーカーを使えば簡単に作れます。 防水性のあるものを選べば、玄関の湿気にも強く長持ちします。 また、マグネットタイプのラベルホルダーを使えば、季節や状況に応じて内容を変更できるので柔軟性が高いです。 ぜひお子さんと一緒にオリジナルラベルを作ってみてください。 自分で作ったラベルなら愛着も湧き、片付けも楽しくなりますよ。
続けられる!玄関クローゼット収納のメンテナンス法
週1回の簡単メンテナンスでキープ

どんなに素晴らしい収納システムも、メンテナンスなしでは長続きしません。 コツは「完璧を目指さず、続けられる仕組み」を作ることです。
週に1回、5分程度の簡単メンテナンスを習慣にするのがおすすめです。 具体的には、床に散らかった靴を元の場所に戻す、落ちているゴミを拾う、よく使う場所の埃を払うといった基本的なことだけで十分です。 私は毎週土曜日の午前中に「玄関クローゼットの5分間チェック」を家族の習慣にしています。 「土曜の朝は玄関の日」と子どもたちも覚えてくれて、今では声をかけなくても自分の持ち物を確認するようになりました。
季節の変わり目には少し時間をかけて、大掃除と入れ替えを行うと良いでしょう。 春夏と秋冬の年2回、1〜2時間かけて徹底的に見直すことで、一年中快適な状態を保てます。 この機会に不要になった靴や使わなくなったアイテムを処分するのも大切です。 我が家では「1年以上使っていないもの」「子どもの成長で小さくなったもの」を基準に、定期的に見直しています。
メンテナンスを家族全員の活動にすることも重要です。 小さなお子さんでも「自分の靴を揃える」「靴下を靴の中に入れる」など、年齢に合った役割を与えると主体的に参加してくれます。 私の子どもたちも最初は渋々でしたが、「あなたの大切なお靴だよね」と声をかけることで、少しずつ自分事として捉えるようになりました。 継続は力なり。小さな習慣が大きな変化を生み出します。
収納の見直しとアップデートのタイミング

最初に作った収納システムが永遠に最適とは限りません。 家族の成長や生活スタイルの変化に合わせて、定期的に見直しやアップデートが必要です。
子どもの成長は収納の見直しのきっかけとなります。 靴のサイズが大きくなる、学校が変わって持ち物が増える、習い事が増えるなど、子どもの成長に伴い収納ニーズも変化します。 我が家では子どもが新学年になる春と、運動会シーズンの秋に収納を見直すようにしています。 特に長男が中学生になったときは、部活動の道具が増えたため、玄関収納を大幅に再構築しました。
季節の変わり目も見直しの好機です。 冬物と夏物では収納の方法や必要なスペースが異なるため、季節に合わせた調整が効果的です。 例えば、ブーツの収納スペースが必要な冬と、サンダルが主流の夏では配置を変えると使いやすくなります。 私は衣替えのタイミングで「靴替え」も行い、シーズンごとの最適化を図っています。
また、新しい収納グッズや便利アイテムを取り入れるのも、収納をアップデートする良い機会です。 100均ショップやホームセンターを訪れた際に、「これがあると便利かも」と思うアイテムがあれば、積極的に試してみましょう。 私も最近、突っ張り棒式の小物ポケットを導入したところ、子どもたちの小さな小物の行方不明が激減しました。 収納は完成形がない「進化し続けるもの」と考えると、見直しも楽しく感じられるようになりますよ。
まとめ:家族みんなが笑顔になる玄関クローゼット収納を目指して
玄関クローゼットは単なる物置ではなく、家族の毎日の暮らしを支える大切な空間です。 上下左右の空間を最大限に活用し、家族の生活スタイルに合わせた分類と配置を行うことで、使い勝手は劇的に向上します。
今回ご紹介した方法やアイデアは、すべて一度に取り入れる必要はありません。 まずは「最もイライラしている部分」から手をつけ、少しずつ改善していくことをおすすめします。 完璧を目指すのではなく、「続けられる仕組み」を作ることが何より大切です。
私自身、3人の子どもたちとの生活の中で試行錯誤を重ねてきました。 決して最初から上手くいったわけではなく、何度も修正を繰り返した結果、今の使いやすさにたどり着いたのです。 あなたの家庭にぴったりの玄関クローゼット収納を見つけるための参考になれば嬉しいです。
最後に、最も重要なのは「家族全員が使いやすいこと」。 見た目の美しさだけでなく、実用性とメンテナンスのしやすさを重視すれば、長く続く収納システムが構築できるでしょう。 毎日の「ただいま」と「いってきます」が、もっと心地よいものになりますように。